ホーム > 全件表示 > 通信欄 > 今後のロシア極東地域アグリビジネス戦略について (2012.2.10 アジア酪農講演会のレジュメ・西山メモ)

各種記事

今後のロシア極東地域アグリビジネス戦略について (2012.2.10 アジア酪農講演会のレジュメ・西山メモ)

掲載日:2012.08.22

(道銀参与、元道農政部長)

西山 泰正氏

○これまでのミッションの成果と今後の対応策について

●直近のミッション

・11月6日~10日まで、北海道銀行主催によるロシア極東のハバロフスク地方及びアムール州における農業視察に参加。

・メンバーは経済産業省北海道経済局(2名)、帯広畜産大学(学長外2名)、酪農学園大学(安宅教授外3名)、帯広市、東洋農機、現地参加としてROTOBO、ハバロフスク日本センター、北海道銀行(3名)、北海道農業法人協会による総勢17名によるミッション。

●ハバロフスクにおけるセルゲィ畜産コンプレックスについて

・コンプレックスは生乳増産、乳牛増頭の意欲はあるものの、

①前回指摘したように農業技術の知識と現場における実践に大きなかい離があること。

②今回判明した農耕地の排水不良による適期作業不能、良質飼料生産の確保と飼料生産量が伸びず、搾乳牛や育成牛の牛体が極めて貧弱。増頭とともに一頭当たりの乳量が北海道の半分相当という実態で生乳生産の停滞。総体としては、「土づくり」「草づくり」「牛づくり」といった農業の基本技術が十分でない。

③周辺住民主体の従業員200人のため、適期・適正作業の技術指導が不備で従業員の生産技術向上が大きな課題であると投資家も認識。「人づくり」も十分でない。

~悪循環のままでは如何に施設投資、増員も経営改善には繋がらない。

◆飼料生産・家畜飼養向上による早期経営改善方策について

・前回調査から、州政府からの多くの投資と計画達成へのプレッシャーがあるものと思料され、悪循環からの脱却のため、面談の投資家からは、付加価値を高めるための乳製品加工や光熱・電気の再生エネルギーとしてのバイオガスプラントや州内自給向上のための野菜生産導入などの農場の今後の計画について重点説明。

・排水不良時の作業対応として日本製のクローラー型農業機械(キャタピラー付農業機械)の導入に強く関心を抱いているとの説明もあり。

◆「1,000haモデル農場構想」について

・北海道の農業技術や施設・資材を展示する「(※1)1,000haモデル農場構想」を提案し、面談の投資家から、強く関心を抱く内容であり、検討したい旨の返答。

(※1)「1,000haモデル農場構想」~コンプレックス所有の15,000haの農地内を一部借用し、家畜飼養技術、飼料生産技術、露地野菜栽培技術、バイオガス活用技術など北海道農業のノウハウを農機・施設や生産資材を持込みモデル的に展示実証するプロジェクトである。当方から道内における農業機械・農業生産資材関連企業のサポート体制等について説明。(強い関心を示した。)

○アムール州政府からの北海道への期待に対する対応策について

●アムール州政府との意見交換

◆アムール州の農業施策と対外投資案件の概要

◆デンプン原料用ジャガイモの収穫体系確立への提案について

◆我が国・北海道内農機メーカーへの期待度について



○アムール州の極東国立農業大学との意見交換・施設視察について

●意見交換・施設視察概要について

・11月8日・9日の両日にわたり(特に翌日、学長が出席・案内)充実した意見交換と構内視察を実施。視察内容は「農業、食品加工(食の安全)、環境型循環農業)」をテーマとした研究室視察チームと環境(保護)学をテーマとした研究室視察チームとの2班に別れ、それぞれ極東農業大学の研究内容把握と共同研究の可能性を探る意見交換実施。

・極東国立農業大学には市内中心部から20k離れたところに農場試験地(面積:10千ha)があり、そこで穀物、飼料用作物などの品種改良実施。

・学長からは大学間の交流については代表者による交互視察に基づき共同研究か学生間交流かを詰めればよいとの見解が示され、また、前日合意した極東農業大学側の副学長の意見に従い、今後極東農業大学より覚書フォームを両大学にメールで送り、お互いに内容を調整したうえで提携することを検討することとなった。

◆大学間の交流の可能性について

・両大学としては、酪農・獣医学や希少・野生鳥獣(アムールドラやエゾシカの頭数管理や保護管理システムの共有化)の保護管理システムの共同研究、GISシステムのもと衛星画像活用による農地・作物生育管理システムなど交流可能分野の検討を進める方向。



○極東ロシアへのアグリビジネス戦略のゴールイメージ

①ロシア極東地域の優良土壌から選定の上、ロシア極東地域において複数の拠点的モデル農場の設置(農機・資材の展示効果と販路開拓)

ステップⅠ→農工タイプ企業農業をターゲットとしたマーケティング

ステップⅡ→農業者、農業法人をターゲットとしたマーケティング



②道内飼料販売関連企業、大規模酪農・畜産経営者にとって、差別化につながるNON-GMO大豆粕、大麦、麸(ふすま・小麦製粉粕)など濃厚飼料供給基地づくり(粗飼料とともに現地TMR生産基地化も可能)


酪農学園大学アジア交流会(2012.08.22)|全件表示, 通信欄
EnglishJapanese
アーカイブ
カテゴリー
RSSフィード
新着情報