国際酪農フォーラムの開催についてのご案内

Date:2024.03.08

2024年3月6日

国際酪農フォーラムの開催について

         共催団体    学校法人酪農学園
                 酪農学園大学
                 Renew Energy Korea Co.,Ltd
                 北海道青年海外協力隊を育てる会
                 アジア酪農交流会
         特別協力団体  雪印メグミルク株式会社
                 雪印種苗株式会社
         協賛団体    独立行政法人国際協力機構(JICA)北海道センターアジア航測株式会社
                  有限会社ベッセル獣医環境衛生研究所
         後援団体    株式会社北海道新聞社
                 株式会社日本農業新聞北海道支所
                 デーリィマン社
                 デーリィ・ジャパン社
                 北海道デンマーク会
                 酪農学園貴農同志会  

開催趣意書
皆さま、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
酪農・畜産分野は、かつて第一次オイルショック、リーマンブラザーズの経営破綻に起因する経済危機など幾多の試練を経験してきました。そして現在、われわれは新型コロナ禍のただ中、消費不況や購入資材費高騰といった未曽有の危機に遭遇しています。
 と同時に、われわれには1SDGs(持続可能な経済発展)の堅持という社会的要請が課されています。北欧諸国は、かねてより環境保全型酪農・畜産を実現し、再生可能エネルギー利用の先進国です。かれらは、とくに家畜ふん尿由来のバイオマス発電、消化液の液肥やバイオチャー(生物由来の有機物、いわゆるバイオマスを炭化させたもの)利用において優れた経験を蓄積しています。
 今回、再生可能エネルギー、風力発電研究の第一人者の牛山 泉先生(足利大学理事・名誉教授・元理事長・元学長)に記念講演をお願いしています。また、デンマークからは、ニューモデルのバイオガスプラントの開発者でRenew Energy社のオーナーであられるPoul Ejner Rasmussen博士、さらに韓国からRenew Energy Korea代表のJun Pyo Choi氏にお越しいただきまして、家畜ふん尿利活用の先進事例をご紹介いただくことになっています。われわれは、今回のフォーラムにおいて再生可能エネルギーに関する、最新の知見を得ることになるでしょう。
 国際酪農フォーラム開催にあたり、牛山先生をはじめ講師の諸先生、ならびに共催団体、協賛団体、後援団体などご協力をいただいた関係者の皆さまに深甚の謝意を表します。
 いまから100年前をふり返ると、北海道農業は地力収奪的な稲作や畑作に堕しており、生産力の低下は甚だしく、冷害凶作に見舞われて危機的状況を呈していました。酪農の先達、宇都宮仙太郎や黒澤酉蔵、深澤吉平らは、北海道畜牛研究会を結成し、北海道庁の宮尾舜治長官にも働きかけてデンマーク農業をモデルに、朝野を挙げて危機打開に奮闘したのです。
宇都宮は、1921年女婿の出納陽一夫妻を農業実習のためデンマークに派遣しました。さらに宇都宮らは、1923年以降5か年にわたって、デンマークから農民3家族を招聘して、真駒内と琴似にデンマーク・モデルの模範農場を開設しました。酪農界の指導者は、地力維持機能を持つ有畜複合経営の実際の普及に努めたのです。
 100年前の1924年2月、北海道畜牛研究会は、デンマーク農業普及のため札幌で連続講演会を開催して、宇都宮や出納とともに、モデル農家のモーテン・ラーセン、エミール・フェンガーらが講師に立ち、かの地の酪農の理想と実際を開陳したのです。講演会の記録は、同年『丁抹の農業』として出版されています。
 デンマークから学んだのは、これに止まりません。宇都宮らは、1926年、デンマークをモデルに北海道製酪販売組合連合会(略称酪連、雪印メグミルク乳業の前身)を設立したのです。ちょうどいまから100年前に北海道酪農の背骨が出来ました。さらに、黒澤は、1933年、経営力に長けた農業者の育成と協同組合運営にあたる職員養成を目的に北海道酪農義塾(とわの森三愛高等学校、酪農学園大学の前身)を開設しました。ここにかれらは、協同友愛の協同組合運動に酪農発展の理想を託したといってよいでしょう。
 奇しくもことし2024年は、宇都宮、黒澤らの先達が、上述したようにデンマーク酪農をモデルに連続講演会を開催し『丁抹の農業』を出版して、100年を経過した記念すべき年にあたります。この100年間に培われた歴史の重みをかみしめつつ今回の酪農フォーラムを開催したいと存じます。
 なお、皆さまにおかれましては時節柄なにかとご多用のこととお察ししますが、フォーラム終了後、懇親会をご用意しております。講師の諸先生を囲み暫し歓談の機会を持ちたいと存じます。フォーラム後の懇親会にもご出席を賜れば、開催者として誠に感謝に堪えない次第です。何卒宜しくお願いいたします。

日 時:2024年3月22日(金)
国際酪農フォーラム    13:00~17:00
※フォーラム:無料
懇親会          17:30~19:30
懇親会費      お一人様7,000円(税サ込)
※懇親会はフォーラム会場の札幌サンプラザで行います。フォーラム会場受付で懇親会費をお支払いください。アジア酪農交流会員以外で懇親会に参加希望の方は、中原准一のmobile:090-8371-7082 または、e-mail:nakahara.agriecon@gmail.com宛に3月15日(金)までにお知らせください。
会 場:札幌サンプラザ
    〠001-0024 札幌市北区北4条西5丁目1-1
                  TEL 011-758-3111
           ※地下鉄南北線「北24条駅」下車、1番出口より西に徒歩3分。
             駐車場は、建物西口が出入り口となります。
国際酪農フォーラムプログラム
テ ー マ 『丁抹の農業』出版100年記念
     デンマークの酪農とエネルギーに学ぶ

13時開会
開会祈禱  朴 美 愛(学校法人酪農学園宗教主事)         <5分>
開会挨拶                             <5分>

発  題
Ⅰ 国際酪農フォーラム開催の意義―北海道とデンマーク交流100年を俯瞰してー
      安 宅 一 夫(酪農学園大学名誉教授・酪農学園大学元学長・酪農学園短期大学元学長)<20分>
Ⅱ デンマークの酪農、環境問題とエネルギー
     中 原 准 一(酪農学園大学名誉教授・酪農学園貴農同志会長)<20分>
基調講演
  自然エネルギー大国デンマークに学ぶ~風力発電を中心に~
     牛 山 泉(足利大学理事・名誉教授・元理事長・元学長) <60分>
休憩 <10分>

15時再開

講  演
 デンマークにおけるバイオガス施設のニューモデル
      Ejner Poul Rasmussen(Renew Energy A/S. Member of Supervisory Board in Denmark) <60分>
      ※Rasmussen先生は、DenmarkからZoomによる講演です。
      会場での日本語通訳者:Russell Goodall(interpreter 東京)
 オランダにおけるバイオチャーについて
      Jun Pyo Choi(Renew Energy Korea Co.,Ltd代表)  <50分>
      日本語通訳者:崔一信博士(Renew Energy Korea Co.,Ltd)
座長まとめ・閉会挨拶
     金 子 正 美(酪農学園大学名誉教授・酪農学園認定ベンチャー株式会社「インターリージョン」CEO)   <10分>
17時閉会 ※フォーラム終了後、懇親会を行います。

以上