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原田勇先生よ 永遠なれ

掲載日:2013.08.21

アジア酪農交流会顧問

趙 民大

脳天に強い衝撃を受けた感じだった。

原田先生の「快気祝」を頂いて一安心したのも束の間4,5日後訃報に接するとは・・・。

思い起こせば、崔一信さんがいい方を紹介するからとの事が、先生、「アジア酪農交流会」との出会いであった。酪農とは全く縁のない私が「交流会」で今まで経験したことの無い別世界に飛び込んだ感じだった。

理事会で「韓国から牛の受精卵の要請があった」との提案に即、応援しようとの発言があった。正直、私はびっくりした。開発間もない材料を応援しようとのことであった。「如何にすればこんな発想が出来るのかと」「酪農は一人だけいい思いをしようとしても駄目だ助け合わねば」黒澤勉さんの発言であったが、私を除く全理事の共通認識であった。今の社会にこんな人達が居るだろうか?。「そうだ、及ばずながらもこの人達に付いて行こう、この基本を忘れないようにしよう」と決心した。これが即、原田イズムと解釈したが村山先生、坂本先生、黒澤勉さん、細田さん、を始め全理事の共通認識には二重に驚いた。

創立20周年記念旅行に韓国が選ばれた。確か一行20人位であった。翌日、韓国ロッテホテルで記念集会が開かれた。ここでも又驚かされた。集まった韓国人が私ら一行より多いのだ。何時の間に如何なる方法で「交流会」のメンバーを組織したのだろうか?。原田先生はそのことには触れず「交流会」の発足の動機のみを言われた。韓国が政治的にも経済的にも恵まれない時、金鐘泌首相から韓国の酪農発展に力を貸して欲しいと直接言われ、村山先生、坂本先生達と何度も韓国を訪れ「交流会」を立ち上げたと。

韓国から新しい領事が赴任した時、真っ先に「原田先生、安宅先生」を紹介してくれと頼まれた。詳しい事は言わなかったが、日本へ行ったら会うべき人と言われたようだった。先生達の理念は韓国では広く伝わっていると思った。今、韓日関係を見た時、韓国にとり最も必要な人材を失ったように思う。痛恨の極みである。

 野幌の古い住宅の庭に各国のアルファルファの試験栽培を自費で行っていた学校で公費でも出来る筈なのにと思ったが、公私を混同しない先生らしいと理解した。何度か遊びに行った時、カナダへ行くと申したら、種をと言われ、持ってきたが、その結果を何度も自筆で綿密に書かれ知らせてくれた。又、先生と共通の持病、腰痛の治療法を教えて頂き、今も続けている。

「交流会」の理事会の時「寄附制」を止め「会費制」にしようと提案したら全員否定した。善意で発足した会の理念を寸文の迷いも無く貫く素晴らしい人達と改めて惚れ直した瞬間であった。多少の組織経験のある私が、組織の持つ理念を理解しなかった結果と反省させられた。

数えたら枚挙に暇が無い程多くのことを学んだが、「神」のことについては一度も聴いた事がない。思い返せば先生のなすことが「不言実行」であった。又其れが先生の「引力」であり全人格をなしていたのではないかと確信する。その代わり、三愛精神や黒澤酉蔵先生、樋浦先生に対する尊敬の念は言葉の端々に常に出ていた。

癌センターにお見舞いに行った時、ご自身の病気より、学校運営のことを心配され、ベッドの上で僅かの角度しか動かない状態で「週一回」でも学校へ行きたいと言い続けた。常人のなせる業ではないと思った。この一途な思いが人を惹き付けるのだろう。語るには余りにも多すぎるので語りつくせない。

身は別世界に往かれたが、その志は私達の周りにしっかり残され活きている。                                 無神論者の私が思うのも奇異な感じもするが、是も先生の偉大さを証明していると思う。

先生よ安らかにお眠り下さい。

先生よ永遠なれ!

アジア酪農交流会理念万歳!

先生は、私の中では生涯生き続けます。さようなら。


酪農学園大学アジア交流会(2013.08.21)|全件表示, 通信欄
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